2026/04/22
ここは,磐田市の 行興寺(ぎょうこうじ)。樹齢850年を超える藤の古木があるところ。今日は,北浜中学と北浜東部中学の3年生が修学旅行中ということでここに来ました。

この場所と中3生の修学旅行と何の関係があるのか?
私自身の脳内では関係があります。
平安時代の末期、遠江国の池田の庄〔現・静岡県磐田市池田〕に熊野御前(ゆやごぜん)という美しく,しかも教養あふれる女性がいました。この女性は平清盛の三男である平宗盛に愛され,都に行くことになりました。
しばらく都で幸せに暮らしていましたが,ある日,故郷の老いた母が明日をも知れぬ病にかかっている という知らせが届きます。熊野御前は母に会いたいということで,都を離れて故郷に帰っていいか知盛に許可を得ようとします。
けれども御前を深く愛している知盛はそれを許しません。(時間の面でも安全面でも現代のようにパーっと行ってパーっと帰ってくるわけにはいきません。旅立ったら二度と再び会うことがかなわなくなる可能性が高い。)
そこで,熊野御前は自分の複雑な気持ちを知盛にわかってもらうため,次のような和歌を読みました。
いかにせん 都の春も惜けれど 馴れし東の花や散るらん
読み〔いかにせん みやこのはるも おしけれど なれしあずまの はなやちるらん〕
意味〔どうしたらいいのでしょう。都の春(知盛・知盛の愛)をなくしてしまうのは惜しく思われますけれど,こうしているうちに,なれ親しんだ東の花(母・母の命)が散ってしまうかもしれません。〕
この和歌を見て心を動かされた知盛は,御前が故郷に帰ることを許しました。
行興寺には熊野御前とその母のお墓があります。
中3塾生の皆さんは、修学旅行で古都にいます。都の春を存分に楽しんでくださいね。
私は東でなれ親しんだ(小学2年の時の春の遠足の目的地がここでした)花を見ています。熊野御前の和歌のようには,ここの花も私自身もまだ散ってはいませんけれどもね(笑)私生活はともかく仕事では重いものを背負っているわけですので,まだ散るわけにはまいりません。



もしも平等院に行く人がいたら,そこにも有名な藤の花があります。
都と東でそれぞれ別の春を楽しむ。別々の場所にいるけれど種類は同じ藤の花を愛(め)でる。しかもここには,現代と変わらない平安時代の親子の強い結びつきを示す御前とその母親のお墓がある。
う〜ん,風流よのう,雅趣に富む時間よのう(笑)
行き帰りの道で後悔していました。


疲れた・・・・・おとなしく車で来りゃよかったわ(笑)
ともあれ,行興寺に来たことがない方は,”いっぺん”は来てみてはいかがでしょう,時宗のお寺ですので。〔ダジャレ・このダジャレの意味がわからない中2・中3塾生の人は,鎌倉仏教について一緒に復習しましょう〕
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