北浜校ブログ

2024/02/16

わからないものへの対処 大田

「習ってません」という心理

昨日の受験生基本クラスの授業。入試の過去問解説でこのような問題がありました。

「源道義(げん どうぎ)とはだれのことか?」

生徒の解答を見て回って,これができていたのは全体の1/3ほど。

できていない生徒が多い理由を考えました。問題を解いていく中で,資料や設問に1つでもわからないものが出てくると「習ってません!」という心理が働いてしまう。そして思考停止に近い状態になる。固まる。フリーズする。

けれども,入試の時に手を挙げて「習ってません!」と言う(抗議する)わけにはいきません。なんとかわかろうと努力しないといけません。

わかろうと努力しても対応できそうになかったらその問題は後回し。入試には制限時間がありますから時間を有効に使わないといけないので。

わかろうとする努力

『テスト中に”わかんねえ”という問題が出てきたら,「これはどの単元の話? いつの時代のこと?」とまず考えてみようよ。』

『「源道義」なんて(皆さんが使っている)教科書のどこにも出てこん。でも,この問題の資料を見たら何時代なのか書いてあるじゃん。何時代なの?』

「室町時代」

『でね,資料の別の場所を見ると,この人は中国に貢物を送って「日本国王」に任命されたって書いてあるじゃんね』

『室町時代・中国に朝貢・日本国王に任命された・・・と言えば誰を連想する。書いてミソ』

書いたものを見たら全員が正解。

①わからないものが1つや2つ出てきたからといって「習ってません!」と思わない。

②”わからない”と思い込んでフリーズしない。

③わかるところから手をつける。これはどこの単元の話だ,いつの時代の話だなどと考えてみる。

④そこから得られた情報から連想・推測して答えを書く。

 

知識の量は同じでも,「習ってません,わかりません」と思って手が止まってしまうのと「どこかにヒントがあるはずだ,そのヒントから答えを連想・推測しよう」というのとでは結果が全く違ったものになるでしょう。

ど真ん中のストレート

入試は”試合”のようなもの。野球の試合で相手ピッチャーが打ちやすいコースの打ちやすい速さの球ばかりを投げてくれるわけがない。相手はストライクゾーンぎりぎりの球を投げてきたりタイミングをずらそうとして変化球を混ぜてきたりする。相手ピッチャーはそうしてくることを想定して打席に立つのが普通の心構えでしょう。

入試の問題だって相手(出題者)が ど真ん中のストレートだけを投げてくるわけがない。入試問題は差がつかなかったら困りますから,ときどきは打ちにくい球(問題)が投げられることがある。そういう球(問題)が投げられる可能性があるという心構えを持つ。そしてそういう球(問題)がきてもあせらない。自分の今までの知識を振り返り,資料の隅々まで目を通して”わかること”を探し,連想・推測して対処する。

入試を受けるときの心構えとして求められているのはそういうことだと思います。

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