2023/04/01
こんにちは。
だいぶ前に本部校ブログで書いたことがある話ですが,今,新学期を前にもう一度書こうと思います。私が若いころに生徒たちに以下のような話をよくしていました。ネタは先輩教師からの受け売りの話で「サーカスの象」という話です。
サーカスののゾウは,小さい子象の頃から,飼いならされて長い間に色々な芸を仕込まれます。そのあいだ,足を鎖につながれて成長します。やがてゾウは芸達者になり,からだも大きくなります。ですが,おなじ鎖につながれたままです。大人になったゾウは自分にはもう鎖などたやすく断ち切ってしまえるほどの大きな力があるのにサーカスのゾウは鎖を断ち切ろうともしません。
幼いころ厳しい練習から逃げ出そうと何度も断ち切ろうとしたけれど,もう鎖を断ち切ることなど無理なんだと思い込んでしまっているのです。本来の力を発揮できずに自分で力を封じ込めてしまっている,・・・というようなたとえ話です。
この話をしながら「自分で自分はダメだと,あるいは自分の力はこんなものだと決めつけるな」という精神論につなげ,子供たちに熱く語ったものでした。
今の子供たちは大変現実的で,つっこみどころ満載のこの話の内容がどこまで彼らに通用するか分かりませんが,最後につながっていく結論に関しては今でも真理だと思っています。
実際,生徒を指導している中で,中には驚くべき伸びをなしとげる生徒がいます。何かが彼らのきっかけとなりサーカスのゾウで言うところの鎖を断ち切ったのでしょう。ほんの小さなきっかけで自分を見つめ直すことで思わぬ力を発揮できるのです。それが子供たちの可能性です。
新学期,新しいスタートの始まりです。一人でも多くの生徒が今までの鎖を断ち切って成長していけるように,教師として指導しくこともまた私のやりがいです。
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