2026/06/24
こんにちは。国語・社会担当の鈴木智久です。
心理学の用語に「フロリダ効果」というのがあるそうです。
アメリカの大学で、「言葉の発想実験」をすると称して、A・B二つのグループに複数の言葉を与え、それを文法的に正しく並べ替えてもらいます。Aには「引退」とか「しわ」など高齢者・老人を連想させる言葉ばかりを与え、Bには中立的な言葉を与えます。
「言葉の発想実験」というのは表向きのテーマで、文法的な並べ替えの作業自体はとくに意味はない。この実験は、言葉が被験者たちに与える影響を調べるものでした。
実験終了後、被験者がエレベータまで歩く速度を測定すると、AグループのほうがBグループより約1秒遅かったそうです。実験によって高齢者・老人を連想したことで、歩行スピードが遅くなったと考えられます。
先行した情報に引っ張られて、行動が変わってしまう傾向を「フロリダ効果」といいます。上記の実験のAグループに与えた言葉のなかに「フロリダ」があったからこう呼ばれているらしい。フロリダは高齢者の比率が高い地域という認識がアメリカ人にはあるから、Aグループの言葉になったようです。
私たちの脳は、それ自体が私たちの体に命令を発しているというより、先行する情報(多くは言葉)に引きずられて、「その言葉のように行動しよう」とアシスト役を買って出る器官のようです。だから、一緒にいる人が「暑い」とか「疲れた」というと、それまで何も感じていなかったのに、自分もそう感じるような気がしてきます。「自分はダメな人間だ」などと言葉にしようものなら、脳はせっせと「ダメ人間」の方向に引っ張っていこうとします。
勉強でも同じ。いま取り組まなければならない問題があっても、それを見ると「めんどう」「うざい」「ムリ」という言葉が先行するかもしれない。そうすると、みなさんの脳は、どんどん問題をやらない理由を探し出してくれるでしょう。
消極的な言葉が頭をよぎったら、使う言葉を変えてみる。「めんどう」な問題は「やりがいのある」問題に、やるのが「ムリ」な問題は、「出来たら気持ちいやつかも」と言い換える。脳は、いい方向に引っ張っていってくれると思います。
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