2023/05/03
花は盛りに,月は隈なきをのみ見るものかは。 ・・・・・ 咲きぬべきほどの梢,散りしをれたる庭などこそ,見どころ多けれ。
意味 桜の花は満開,月は影がない満月だけを見るものだろうか? いやそうではない。 ・・・ 今にも咲きそうなころの桜の梢や,花の散りしおれた庭は,かえって見る価値が多いものだ。 徒然草第137段
過去の各都道府県公立高校入試の国語の問題に目を通すと「徒然草 第137段」が何度も出題されているのがわかります。上に書いたのはその冒頭の部分。
昨日は磐田市見付のつつじ公園に行ってきました。ここは見付天神と隣接した場所にあります。
ツツジはもう見ごろを過ぎているのはわかっていました。
散りしをれたる庭などこそ,見どころ多けれ(徒然草第137段)と思ってつつじ公園に行ってきました。
高校生の時の体育の授業は,冬の間はつつじ公園まで走って往復し,それからサッカーという感じでした。
持久走は苦手で走るのが遅いので,その分,大好きなサッカーをやる時間が少なくなる。これはキツかった。
ツツジの見ごろにはここで写生大会が開かれます。中学生の頃は,その写生大会に参加してそこで描いた作品を提出するのが美術の宿題でした。
私の授業を受けている人は皆さん知っていますが,私は絵が絶望的に下手です。高床倉庫を黒板に描いたら「サザエさんの家(エンディング)ですか?」と言われるくらい。ですから,美術のこの宿題はキツかった。
初めてここに来たのは小学生になったばかりの春。家族でここに来ました。これにもキツかった思い出があります。
今は立入禁止になっていますが,初めてつつじ公園に来たときに,このステージの上に立ったことがあります。
家族とはぐれて迷子になったからです。
何かのイベントが行われていて家族でここに来た。迷子になった。このステージが本部になっていた。親切な方がここ(本部・ステージ)に連れてきてくれた。マイクで「迷子の連絡です」と家族が呼ばれた。大泣きしていたので係の人に名前がしっかり伝わっていなかった。微妙に違う名前で放送されたというオチまでついていた。
迷子になった理由はいくつかあります。
イベントで出店が出ていてカルメ焼きを買ってもらいました。そのカルメ焼きを食べることに熱中していて周りを見ていなかった。それが迷子になった1つの理由。
そして,周囲の状況が見えにくい場所であったことも理由の1つ。大人になった今でも周りが見にくいです。ましてや小学1年生の身長ならばなおさらそうです。
公園を歩くのと同じで,受験や人生でも,気がついたら「迷子」になっていたということはありがちなことです。
周りが見えないうえに先も見えない。今 自分はどこを歩いているのだろう。ここをそのまま進むと「行き止まり」になったりしないだろうか。「迷路」に迷いこんだときには不安になります。そういう点では,ここを歩くのも受験も,人生も同じでは?
ドローンで上から撮影したら道に迷わないんでしょうけれど,公園で勝手にドローンを飛ばしたら法的にまずいです。
けれども,人生だったら,「迷路」に迷い込んだときにドローンのように上から見る,俯瞰的に見るための方法はないわけではありません。
なぜ大人は子どもに対して「本を読め!」と力説するのか? それは,国語の成績を上げるためということもあります。それに加えて,人生で「迷路」に入ってしまったときの対処法を読書によって得られる可能性があるためだと思います。「迷路」から抜け出る方法が直接書いてあるわけではありませんが,抜け出るためのヒントを得られるかもしれないということです。読書によって得たヒントが,ドローンで上空から撮影した画像のように,「迷路」から自分を救ってくれるかもしれません。
受験の場合は?
この場合も読書が「迷路に入ったときのドローン」の役目をするかもしれません。それ以外の方法もあります。
受験で迷ったら,何度でも納得の行くまで
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