2023/12/29
ブラジルの熱帯雨林に住んでいるある民族には「時間」というものがないらしい。『週』『月』『年』を表す言葉が存在しない。『時間』を表す言葉がない。つまり,時間の概念がないということです。
だから未来の計画を立てない。計画を立てるという気すら起こらない。未来のために食料を保存しておこうなどとは考えない。今,食べたいだけ食べて後のことは考えることすらしない。
時間の概念がないから過去のことも考えない。過去の過ちを悔いたりしない。過ぎ去った悲しい出来事を思い出して悲しさに浸るということをしない。身近な人が亡くなったらそのときは悲しむけれど墓などをつくってその人のことを後で偲んだりはしないらしい。
未来も過去もない生き方・考え方をしていたら,現代の日本社会では大変マズい結果を招くことでしょう。将来のことを一切考えていなかったら路頭に迷ってしまうことでしょう。過去の出来事から学ぶことがなかったら,進歩も成長もない人生になってしまうことでしょう。
ただ,時間の概念がない民族の話は,恐怖心の克服や心の平安を得るためのヒントになるかもしれません。
悲嘆・傷心・感傷・憂いは過去の出来事からくることが多いですし,恐怖・不安・心配・畏れは未来のことを考えると生じることが多いです。
けれども過去のことをいくら考えても過去のことは変わりません。未来のことをいくら憂いても未来のことはわかりません。
過去や未来って実物として存在するんですかね? 自分の頭の中だけにしか存在しないんですよね,たぶん。 だったら目の前に実際に存在している『現在』にだけ心を向ければいいのでは? それが恐怖心を克服するためのヒントになるのではないかと私は考えます。
昨日のブログ記事に書いたカス・ダマトは「偉大なボクサーになるには考えるのをやめる必要がある」とも言っています。
悩むことによって結果が変わるのなら悩んだらいい。でも結果が変わらないのなら,自分にとってプラスになる要素が1つもないのなら悩むのをやめたほうがいい。そうした方が合理的なのだけれど,人間の心はそんなに合理的にはできていない。
受験生はこれからの期間で入試に向けて不安になることが出てくるかもしれません。そして入試当日には恐怖心がMAXになってしまうかもしれません。
そんな感じになってしまい,自分の心がコントロールできなくなってしまったときには
今,自分の目の前にあることのみに集中してみよう
受験生にとって”今,自分の目の前にあること”とは,テキストの問題や入試当日の問題です。不安になったら問題を解くことのみに集中してみる。過去も未来もなく現在のことだけを考える。そうすると自分の心をコントロールできるかもしれません。(もちろん,入試当日は『時間配分』を考えないといけないですけれどね)
少なくとも私自身はそうです。生徒の質問に答えるときには,過去も未来も憂いも不安もすべてぶっ飛んで”現在”しかありません。
だから質問対応の一人あたりの時間が長いのか・・・すんません,なるべく簡潔に説明するようにしますね。
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