2023/11/08
桐光学院では全校舎で中3生の技能教科の対策をしています。北浜校だけでなく他の校舎でも実施しています。
皆さんご存知の通り,2学期の内申点は静岡県の入試(公立も私立も)では大切です。内申点が不足した状態での受験は大きなリスクをともないます。英数理社国の5科目の内申点と技能4科目の内申点は基本的には同じ価値を持ちます。
そういう入試の仕組になっていますので,5教科はもちろん,技能教科の勉強も桐光学院では行っています。ただし,受験のかかっている中3生のみ。中1生や中2生は,中3生になったら対策をしていきます。
その技能教科の対策準備のなかで,「2進法をどう教えたらいいか」ということを他の校舎担当の先生から尋ねられました。今は中3の『技術』で2進法を習うんですね。2進法で表された数を10進法に直したり,その逆をやったりする問題。
「2進法」は,かなり昔は数学の教科書に載っていました。そのときに私は数学を教えていましたので,私ならこうやって教えます,ということを伝えました。10進法が当たり前の世界で暮らしている生徒に,1と0しか使わない2進法のイメージを伝えるのには教えるテクニックがある程度必要です。
昨日は北中の合唱コン。北浜校に向かう途中で合唱コン帰りの生徒の列を見ました。こりゃ時間的に考えて自宅が遠い中3は対策授業に遅刻するかもな。
自転車で必死になって対策に間に合おうとしている生徒がいました。出迎えのときに「お疲れさん。ところで,合唱コンどうだった」と聞いてみました。
「残念でした。入賞できませんでした。体育大会も合唱コンも無冠です」
「残念だったね。自分のときも無冠だったけれど,クラスのみんなで頑張ったことは,歳をとったあとで振り返るといい思い出だったと思えるし,自分にとっては大切な宝物のような時間だった感じることがありますよ」なぐさめになっているかどうかわかりませんがこんなことを話しました。
その話をしたときにハッと思いました。世の中のことは「0か1の(2進法の)世界」(0=結果を得られなかった/1=結果を得られた)ではない。結果も大切だけれど,そこに至る”過程”がもっと重要なのだ。
例えていうならばこんな感じ。宝くじに当選して何億円も持っている人をうらやましいとは思うが,その人に対して尊敬の念はわかない。自分の努力やアイディアで富を築いた人に対しては,うらやましいという気持ちはほとんどなく尊敬の気持ちがわく。そこに至るまでの”過程”をみるからだ。世の中のことを「0か1の世界」ではないと思っているからこのように感じる。
けれども,私に課せられた義務を考えると,それは「0か1の世界」なのだ。受験は「0か1の世界」。生徒の皆さんの長い人生から考えたら”過程”も大切だと思っています。ただ,私が皆さんに接するのは皆さんの長い人生の中の1部でしかない。だからここで求められるのは,「0と1のうちの”1”」です。これを成し遂げるためにみんな塾に通ってくれている。だから,”1”=結果を出さないといけないんだ。そういうことを改めて感じ,身が引き締まる思いがしてハッとしたわけです。
かなり前のことですが,2進法に関するおもしろいジョークを見つけました。どうやら昔からあるジョークのようです。あまりにもおもしろかったのでSNSに引用元を書いてシェアしました。そうしたらバズった(笑)。バズるとロクなことはない。見ず知らずの変な人が意味不明なコメントを書いていく。鬱陶しいこと限りなし。しばらくして削除してアカウントに鍵をかけました。
そのジョーク。(7,8年前の話なので微妙に表現が違っているかもしれません)
「世の中には『10』種類の人間がいる。2進法を知っている人間とそうでない人間だ」
「残りの8種類は?」
「君は後者(=2進法を知らない人間)というわけだね」
意味がわかんねぇよ,という人にはヒントを。
2進法で表された『10』は10進法に直すといくつですか?
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