本部校ブログ

2025/04/24

心理学の本から   杉村

 こんにちは。

 今日は以前にも書いたブログネタから,「集団心理」についてのお話です。以下のお話は,以前,私の読んだ心理学の本から引用しています。

 私も良く訪れるファーストフードやイオンなどのフードコートのテーブル席などに,よく貼り紙で「ごみをきれいにかたづけてください。」「コップは返却口へ」など,セルフサービスのお店では特に客に注意をうながす貼り紙が貼られているのをよくみますね。前の客が,テーブル席を汚いままにして,席を立ち,なおかつセルフサービスなので長い間それが放置されている状況があります。そんなところへはすわりたくないものです。

 実は,上記のような店側が客に注意をうながすような貼り紙というのはほとんど効果がないそうです。

 ある大学が実験をしたそうです。客に扮した研究員たちが「食事後にしっかりとそうじしてごみを片付けてきれいにしてから帰る」という行動をわざと客たちのいる前で1日に数回やってみせたのだそうです。特に混んでいる時間帯を選び,複数の場所でやったそうです。その結果,驚くことにゴミやコップを放置して帰る客は実験前から格段に減った,というのです。

 そして心理学の本ではこのことをこう分析しています。「貼り紙などのメッセージの文言ではなく,人は人の行動を見て自分の行動を変えるもの」と

 このことは,勉強でも言えることだと思います。子供たちは親や教師の「勉強しなさい」ということばで動くのではない。頑張って勉強している友だちのすがたを見てそれがじぶんの脳裏に焼き付けられ,それに触発して自分も同じ行動をしたくなるのです。「よし,おれもやるぞ!」となるきっかけは人の行動がきっかけになることが多いのではないかと思ったりもします。確かに,自分の過去の行動を顧みてもそういうことが多かった気がします。

 フードコートの客も,他人がきれいにするのをみて,意識的であるにせよ,無意識であるにせよ,自分のかつての行動を恥じ自発的にそうしなければいけない,という思いが芽生えたのではないでしょうか。

 塾で勉強することや集団の強みはここにあるのだと思います。クラスで頑張っている仲間を見て触発される,自習に通う生徒を見て自分も行ってみようと思う。「人間の行動意欲は,それを見る人間の行動によって触発される。」

 子供の行動が言葉で叱ったりするよりも,そんなきっかけを与えたりすることの方が効果的かもしれませんね。

 

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