本部校ブログ

2025/02/01

塞翁が馬     杉村

 こんにちは。

「人間万事塞翁が馬」(さいおうがうま)という諺があります。中国の古い書物にこの諺のもとになる話があります。

中国の北の方に占い上手な老人が住んでいました。
さらに北には胡(こ)という異民族が住んでいて国境には城塞(とりで)がありました。

ある時,そこに住む老人(翁)の馬が北の胡の国の方角に逃げていってしまいました。この辺の北の地方の馬は良い馬が多く,高く売れるので,近所の人々は気の毒がって老人をなぐさめに行きました。すると老人は残念がっている様子もなく言いました。「これが幸福にならないとも限らない。」と。

そしてまたその後のある日,なんと,逃げ出した馬が胡の良い馬をたくさんつれて帰ってきました。
そこで近所の人たちがお祝いを言いに行くと,老人は首を振って言いました。「これが災いにならないとも限らない。」

しばらくすると、老人の息子がその馬から落ちて足の骨を折ってしまいました。近所の人たちがかわいそうに思ってなぐさめに行くと,老人は平然とこう言いました。「このことが幸福にならないとも限らない。」

1年のちに,胡の異民族たちが城塞に襲撃してきました。城塞近くの若者はすべて戦いに行きました。そして、何とか胡人から守ることができましたが、若者たちの多くはその戦争で死んでしまいました。しかし、老人の息子は足を負傷していたので,戦いに行かずにすんで無事だったのです。

 「長い人生では楽しい事や嬉しい事もあれば、辛い事や悲しい事もあるけれども、何が幸福で何が不幸かは直ぐに決まるものではない。」

 1月を最後に桐光を卒業する生徒が数名います。何か言葉を送るとすれば,このことを覚えてもらいたいです。人生はいろいろあるけど,幸せな時には自分を戒め、辛く苦しい時には将来必ず幸せが訪れるものと信じて、毎日を明るく元気に前向きに過ごして欲しい。桐光学院で頑張ったことを糧にして…。

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