2024/12/01
こんにちは。
「学校では教科の内容を教えなくなる?」そんな懸念が広がっています。
来年度より,中学校の教科書が改訂されます。今回の改定は教える単元や内容に大幅な変更はありません。単元や教える内容の変更ではなく,教科書内に「デジタルコンテンツ」が多く掲載されることになります。
具体的には,教科書の中の2次元コードから動画にアクセスし,授業の動画を見ることができたり,自宅での演習用のコンテンツが盛り込まれたりしています。
そうなると学校でどのようなことが起このか?最も懸念されることは,このデジタルコンテンツを学校でかなり活用されるのではないかということです。そうすると,先生の「教える時間」がどんどん減っていくと思われます。
現在,学校の先生方の働き方改革が叫ばれています。部活動が地域で運営されるようになるような話も記憶に新しいですね。この「先生方の負担を軽くする」という流れの中で,例えば,今までのように英語の文法について授業で説明する時間が大幅に削減され,「動画を見ておけ」ということで済まされてしまう,ということになる可能性があります。単語の習得などは一切学校で手をつけず,家庭学習でデジタルコンテンツを利用して「やっておけ」と指示される。その分,グループでの討論やテーマを与えて調べさせたりする授業の時間がさらに増えるのです(「協働学習・探求学習という)。
受験に必要な知識は自分で身につけろ,あるいはその部分は学習塾にまかせてしまえ!とでも,言いたいような目論見(もくろみ)までうかがえます。
学校は知識を与え,学力をつけるところではなく,探求心を育み,協働で活動するすべを学ぶところ。一方で塾は学力を養い身につけるところという住みわけが,もっと明確になっていくのではないでしょうか。これからはさらに塾が必要不可欠になっていくと思います。
Copyright(C) 桐光学院. All rights reserved.