2024/10/17
こんにちは。
優秀な成績を残す名だたるアスリートたちの中には,本当にそのスポーツだけが得意だった,優秀だった,という選手は意外と少ないことに驚きます。
例えば,やり投げ女王の北口榛花(きたぐちはるか)選手。彼女がスポーツに打ち込んで青春時代を過ごした旭川東高校は毎年東大合格者をたくさん出すほどの進学校だったそうです。まさしく文武両道の学校です。彼女はそこでやり投げや水泳だけをやってきたわけではないのです。彼女は英語も,そしてチェコスロバキアで修行をしたのでチェコ語も堪能とか。チェコ語は世界の言語のうちでもっとも習得が難しい言葉の一つです。鍛えられた身体のみではなく鍛えられた頭脳の持ち主だという事が分かります。
サッカーの久保建英選手をはじめ海外でプレーする選手も同じです。久保選手などはとてもスペイン語を流ちょうに話します。語学の習得は一朝一夕の努力で身につくものではありません。きっと私たちの知らないところで練習の合間をぬって勉強していることでしょう。
スポーツに打ち込むことは良いことです。しかしそれだけ,というのはどれほどの価値があるものなのか。生徒にもスポーツ大好き少年少女がたくさんいますね。スポーツでも何でも打ち込めるものが自分にあり,頑張ることはすばらしいことです。しかし,勉強が嫌で,それから逃れるためにその世界に逃げ込むがごとくそれに打ち込むのは違います。勉強をしない理由を部活やスポーツが忙しいから,というのも,また絶対に違うのです。一流のスポーツ選手はそれが何であれ向上心とプライドがすごいので,言い訳をさがすことは決してしない。まずは何にでも真摯に一生懸命取り組むというマインドが備わってるのです。
桐光の生徒に勉強だけができるようになってほしいとは思いません。嫌いな勉強も含めて何にでも自分の夢のために頑張れる生徒になってほしいと思います。たとえ勉強だけがすごくできてもそれは人間的な魅力ではありません。私たちが憧れるアスリートも結果だけでは私たちのあこがれの存在にはなりませんよね。大谷君でもそうです。その人の人間性だったり今まで過ごしてきた背景や逆境をはねのけた経験を踏まえて憧れる,それと同じです。
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