2023/05/16
中1の生徒にとっては初めての模擬試験。
小学校と中学校のテストはいろいろと違うところがあります。だから最初にテストの受け方について話をしておかないといけません。
そして試験中は,生徒をよく観察しておかないといけません。その様子によって今後のアドバイスもできます。
だから模擬試験の監督は大切な仕事の1つです。
こういうところができていない生徒が多い。こういうところができるようになってほしいし,これから少しずつ慣れていってほしいというところを書きますね。
小学校のときのテストは,ほとんどの場合 問題数がそれほど多くありません。テストの時間ギリギリいっぱいまで考えるということがあまりなかったと思います。
今まで(小学校のときに)は,制限時間を気にせずにテストを受けていた人がほとんどでしょう。だから,テストの時間配分を考えたことがある人は少ないと思います。
そのため,中学の最初のうちはテストの時間配分で失敗する可能性があります。
模試の監督のときに話しました。
「最初から満点を取ろうなんて考えちゃいけませんよ。問1から解かなきゃいけないなんてルールはありません。わからない問題が出てきたらとばす。できるところから解いていく。その後で,さっきとばしたところを解く。それが結果として満点につながります。」
けれども,順番通りに解いていき,最後に時間が不足して一部の問題が手つかずになってしまった生徒が何人かいました。
それは決して悪いことではないし,頭から否定しようとは思いません。
なぜなら,それはその生徒の真面目さの現れだと思うからです。
といって,真面目にやりすぎても点数の面で損をすることがあります。
また,いつも書いているように,口で言っただけではなかなか身に付かないことは多いです。
テストになったら「熱く」なってしまい,こちらの言ったことを忘れてしまったという面もあったと思います。スポーツなどで,試合中に熱くなってしまいコーチの指示を忘れてしまった,みたいな。
こういう部分が少しずつ変わっていくようにに指導してまいります。
ただし,時間がかかるからその問題は「捨てよう」と一概には言えません。
時間をかけてもいい,むしろそういう姿勢を身に付けてほしい,という場合もあります。
数学のテスト時間中のこと。問題に目を通してみたら,「ああ,これは公式一発じゃできないし典型問題ではないから苦労するだろな」という問題がありました。
生徒を見て回ったら,問題用紙にいろいろ書いている生徒がいました。式を書いたり線分図を書いたり。「こりゃ答えにたどりつけるかもしれんど」
「なんかよさげな数字が出たぞ。そこからあともう『一手』必要なんだけど思いつくかな?... 残念!時間切れか」
こういう場合は時間をかけても意味があります。
今回は答えにたどり着けませんでした。けれども,こういうことを繰り返せばいつかは自力で初見の問題に対応できる力が身に付くかもしれません。そうなったらテストに関しては最強です。
あとは,残り時間に合わせて「見切る」ことが必要です。この問題の答えが出ないのは本当にめちゃくちゃ悔しいけれど,残り時間が少ないので,できている問題を確実に固めに行こう(見直しをしよう)というように見切ることができたら最高ですね。
科目によっては,生徒によってはテスト時間が余る場合もあります。
「時間が余ったら見直しをしなさぁ~い」と言っただけで見直す生徒は少ないです。
「私たちが採点するのは解答用紙です。問題用紙には何を書いてもいい。だから,もしもテストの時間があまったら問題用紙に解き直しをしよう。問題用紙に書いた答えと解答用紙に書いた答えを見比べよう」
と話しました。
これはやっていた生徒が多かったです。
相手に4点取られても5点取り返せばいいのや!というタイプのチームの戦い方は観ている側はワクワクして面白いのですが,ディフェンスの強いチームの方が勝つ確率は高い。テストもそれと似ているような気がします。
夏以降の中3生の模試の監督をしていても,上に書いたようなことを生徒に向かって言いたくなる時があります。
そんなときには模試が終わった後に全体向けや個人向けに話をします。
それを考えると,中1の最初のテストでこういうことが完璧になっていなくても致し方ない面もあると思っています。
ただ,今からこういうことを意識して慣れていけば,のちのち絶対に役に立つはずです。
Copyright(C) 桐光学院. All rights reserved.