北浜校ブログ

2025/05/01

問題に対する心構え  大田

正答率が全然違う

カッコの穴埋め問題では,同じことを聞いているのに,カッコの位置を変えると,途端に正答率が下がります。

Aパターン

中臣鎌足らと図り,蘇我蝦夷・入鹿を倒して政治改革に着手したのは( )です。

Bパターン

( )は,中臣鎌足らと図り,蘇我蝦夷・入鹿を倒して政治改革に着手しました。

AパターンもBパターンも,答えは『中大兄皇子』ですが,AとBでは正答率が全く違います。Bは答えが書けない生徒が結構多いです。

”わからない”で止まる

Bは答えが書けない生徒が多いけれど,通常授業の問題演習の時間や個別授業で,

「中臣鎌足と一緒に蘇我氏を倒した人ってだれだっけ?」と私が聞くと,ほとんどの生徒が「中大兄皇子」と答えてくれる。

なぜこのようなことが起こるのか?

Bは最初にカッコがある,つまり”わからない”部分が最初にある。”わからない”部分が気になってしまい,続きを読もうとしない。上に書いた,答えが書けていない生徒に対する私の問いかけは,カッコの続きの文をよんだだけです。それでほとんどの生徒が正解を答えられる。

つまり,Bができない生徒は,カッコの続きを自分で読んでいない可能性が高い。

では,なぜ読まないのか?

やる気がないから・・・ではありません。たぶん,最初に”わからない部分”があると,それが気になってしまい,次に進めないという性質を多くの人間が持っているからだと私は思っています。

気になること(わからない部分)を保留して,とりあえずわかるところから読んでみる ということが苦手な生徒が多いのだと思っています。

問題を解くうえで必要なこと

わからないことが出てきても,とりあえず保留して自分のわかるところから始めてみる,という心構えは,上に書いた簡単な問題はもちろんのこと,実力テストや入試の問題を解いていくときに絶対に必要です。

入試や模試などでは,”習ったまんま”の問題も出題されますが,”初めて見るような問題”も出ます。そして後者の問題が できるか/できないか で点数の差が開く。

だから,わからんことが出て気になって気になって仕方がなくてもフリーズすることなく,とりあえずわかるものから取りかかる,という姿勢は重要です。

授業や個別や質問対応で

授業や個別で問題演習中に生徒の手が止まっていたり,生徒の質問対応をしたりするときに,いきなり答えを教えるなどということはしません。

「問題のココを読みなさい」「ココで聞いているのは〇〇ってことなんだけど答えわかる?」「〇〇がわかれば,△△がわかるんじゃないの?」などとヒントを出すようにしています。

『わからないものをとりあえず保留して,わかるところから少しずつ問題を”崩して”いこう』と口で言っただけでそれが身につくわけではないと思っています。

質問等があったときに,生徒に考える機会を提供するようにしています。わからないところをとりあえず置いといて,自分で考えてみたらできたという経験を積んでいくことで少しずつ身についていくのだと思っています。

時間はかかるかもしれませんが,この姿勢を身につけていくことで,入試に対応できるようになっていくのだと思います。そのサポートをしていくのが自分自身の仕事です。

見たことのないパターンの問題でも,自分の力で何とか考え抜くという姿勢が身についている生徒も,もちろん北浜校にはいますけれど。

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