北浜校ブログ

2025/04/26

中1社会・時差の授業   大田

①何度ちがうと時差が1時間か

木曜日の中1Sクラスの授業で,学校の進度を聞きました。1部のクラスで時差の問題について習ったということでしたので,急遽 授業予定を変更して時差について学習しました。

金曜日の中1Aクラスの社会も時差を教えました。

私「1つ1つ確認しながら話をしていきますよ。まずは,馬鹿にすんなってくらいに簡単なところから」

私「1日って何時間ですか?」

生徒「24時間!」

私「地球は1日(24時間)で1回転するって知ってます?」

生徒「はい」

私「じゃあ,24時間で1回転,つまり360度回転しているんですよね。ここまでOK?」

生徒,頷く。

私「じゃあ,1時間で何度回転すんの?計算が必要だったら紙に書いて答えも書いてみて」

全員が360÷24=15と書けていましたので,この部分は特に説明なし。

②時差を出す

私の頭を地球に見立てて,地球の自転について説明。経度が違うと時差が生じることや地球の自転の方向について話をしました。ときどき,生徒にわかってもらうため(悪ノリして)地球に見立てた自分の頭にチョークで矢印を書くこともありますが,今回はやめておきました。次のクラスの授業に入れなくなる・・・

私「日本と,例えばイギリスとでは今の時刻がちがう,つまり時差があることがわかりました?」

生徒「はい」

私「イギリスって本初子午線が通ってますよね。では,経度は何度ですか?」

生徒「0度です」

私「今,時計を見ると午後8時ですよね。そして,さっき言いましたけれど日本の標準時子午線は東経135度です。じゃあ,イギリスは今何時か,それを考えてみます。」

私「とりあえず時差を出します。まず,こういう(板書しました)数直線を紙に書いて。」

全員がやっているか確認。

私「数直線を見ると,イギリスと日本では経度が135度ちがうってわかるよね。あのね,この問題ならこんなことやらんでもできるんだけど,パターンを変えられたらハマっちゃう人が多いので,とりあえず慣れるまではコレを書いてね。また,わからんくなったときにもコレを書いてみよう。」

私「さっきやったけど,経度が15度ちがうと時差が1時間なんですよね。」

生徒 頷く。

私「135度の中に15度が何個はいってんの。もしも,この答えはウソですけど,6個入ってんなら時差6時間ってことですよね。7個なら7時間。じゃあ何個入ってんのか計算してみそ」

できているか全員を確認。

③時刻を出す

私「時差は9時間と出ました。さあ,今からイギリスの時刻を出しますが,ここで1つ大きな問題があります。それは何かわかります?」

生徒「午後8時に9時間たすか,午後8時から9時間ひくか」

私「だよね。せっかく時差を出せたのに,ここで間違う人がけっこういます。」

私「ところで,数直線って右に移動すると数は増えんの減んの?」

生徒「増える」

私「そうだよね。逆に左に行けば減る。最初に数直線を書いてもらったのはね,時刻を出すときに使えるからです。日本は午後8時じゃん,この数直線だと日本から見てイギリスは左にあるよね。じゃあ9時間分をたしゃいいのかひきゃいいのか,それを考えて答えを出してください。時刻を出すのがヤバい人は,紙に時計を書いてやってみて」

こんな感じで,だんだんと問題を難しくして,だんだんと私が話す時間を減らして問題を解いていってもらいました。

説明が必要な生徒に対しては,全体を見て回りながら個人的に説明。最終的には全員が自力で正解にたどり着けました。明日になってもできるかどうかは別として。(だから復習が必要なんですけどね)

納得は全てに優先するぜッ!!

こんなメンドウなことをやらなくても,

① 東経と東経のときには経度を引く。西経と西経のときにも経度を引く。東経と西経のときには経度をたす。

② ①で出した答えを15でわる。それが時差

③ 分かっている時刻に②をたす。(または,分かっている時刻から②を引く)

などという形でマニュアル化して教えれば,とても楽です。

そして,このマニュアルで時差の問題ができるようになる生徒もいます。

けれども,マニュアルだけだと多くの生徒が混乱します。例えば上の①のたす/引く と ③のたす/ひく がごちゃごちゃになって混乱してしまうとか(そういう生徒を何人も見た)。

マニュアルはショートカットのようなもので役に立つこともありますが,そのマニュアルについて,何をやっていのか(なぜたすのか,ひくのか,わるのか)自分で納得がいっていないと,その場はできたとしても後になって混乱する可能性大。

マニュアルだけを教えるのは,「わかっている人間の・わかっている人間による・わかっている人間の(都合の)ための説明」になってしまうことが多いです。

そう思うので,全ての生徒に「納得」してもらうために時間をかけて説明しました。授業内で一人一人を見て回った時にも納得できているかどうか確認をしていきました。

ジョジョの奇妙な冒険・第7部のジャイロ・ツェペリのセリフより

『オレは「納得」したいだけだ  「納得」は全てに優先するぜッ!!』

『でないとオレは「前」へ進めねえッ!! 「どこへ」も! 未来への道も! 探すことはできねえッ!!』

今日の授業で「納得」できなかった場合,また,家で問題を解いて「納得」できなくなったときには,授業前後や個別授業で「納得」できるまで説明する,と生徒には伝えています。

そうやって,生徒一人一人ができるようになっていくのを見ることが,私自身の「納得」につながっています。

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