2025/03/09
少し前から冷蔵庫の調子がちょっとおかしい。そりゃそうだ,もう買ってから15年ほど経つのだから(この冷蔵庫は受験生と同じ年か)。新しいのを買ったほうが電気代が安く済むらしいし,買い替えたほうがよさそうだ,ということで2月に注文。
さすがに自分じゃ運べないので,配送してもらうことにしました。配送の日にちは指定できるけれど,時間は指定できないとのこと。一人で暮らしているので,私以外に対応する人間がいません。日にちをいつに指定するのか迷いました。
自分が休みの日に配送日を指定して,ずっと家にいればいいのだけれど,入試が終わるまでは,休みの日に校舎に行きたくなるかもしれない。(実際,行きました)。入試が終わった後の日曜日ならどこへも出かけないだろうからいいだろう,ということで,配送日を今日に指定しました。
今日は,新しい冷蔵庫が届くこと以外に何もない日曜日です。今までサンデー桐光で頑張ってきた受験生にとっても,久しぶりにゆっくりできる日曜日だと思います。しかし,まだ”結果”が出ていない日曜日。複雑な思いで日曜日を過ごしているんじゃないかな,と想像しています。
この仕事をしていくうえで,心構えとして気をつけていることがあります。それは,人様(保護者の方)が大切にしている存在(お子さん)なのだから,自分も大切にしないといけない,ということです。できているかどうかは別として,全員に対して同じ気持ちで接しているつもりです。
けれども,相手が受験生の場合はちょっと違います。なにしろ会う回数が違う。接する時間も長い。毎週土曜日は,午後1:00~10:00で校舎を開けていましたし(もちろん,交代で休みはとっていました)。ずっと接していると,気持ちが変わってきます。もう,義務感ではなくなる。人様が大切にしている存在ではなく,自分自身にとっての大切な存在みたいに感じてしまう。
そういう気持ちになるともうダメだ。接する機会があと少ししかないと考えると鼻の奥がツンとする(花粉症がひどいとか,おろし生姜のつもりで間違えてわさびを入れたとか,そういうことではありません)。
休みの日にも,大丈夫かな,質問がないかなって感じで校舎に行ってしまう(笑)。「仕事」という観点から考えると,こういうことをやっちゃあいけないっていうのは,よくわかっているんですけどね。
古い冷蔵庫の中を片付けながら,いろいろと思い出していました。そいういえば,この古い冷蔵庫は私が選んだものではなく,別の人間が選んだものだったなあ。そして,思い出がいっぱいつまっている。そう考えると,何か複雑な気持ちになりました。といって,冷蔵庫を2つも置いておく場所はありません。古い冷蔵庫は引き取ってもらうしかありません。
桐光では新しい年度が始まっています。春休みには春期講習,昼の個別があります。新しい生徒もたくさん入塾してくれました。新しいコトに全振りしていかないといけません。
ただ,人間の精神は,私の家のキッチンとは違って,非常に広い。だから,終わったコト・役目を終えたモノを捨てることなく置いておくことができます。だから,新年度のコトに全振りしながらも,自分の心の別の部分に,一緒に頑張ってきた1年間を大切にしまっておきます。もちろん,合格発表があるまでは,気持ちの整理がつかないけれども。
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