2025/02/08
『百里を行く者は,九十を半(なか)ばとす』という言葉があります。〔『戦国策』より〕
何事も,”あともう少しで終わり”というところに困難が多いから,9割くらい終わったところをまだ半分と考えて最後まで気をゆるめてはいけないという戒(いまし)めの言葉です。
話の内容は少し変わりますが,木登りの名人の話が徒然草の第百九段にあります。
木登りの名人が,弟子を高い木に登らせて小枝を切り落とさせていた。弟子が木の高いところにいるときには木登りの名人は何も言わない。けれども,弟子が飛び降りても大丈夫なくらいの高さまで降りてくると,「ケガをしないように気をつけて降りてこい!」と声をかけた。・・・・
声をかけるの逆じゃね?と思ってしまいますが
危険なところにいるときは他人に言われなくとも自分で気をつけるが,安全と思われる場所にいると気がゆるんでしまいがちでケガが起こりやすい,と木登りの名人は考えたようです。
昨年度の高校入試が終了して今日まで340日。1年365日の93%が経過しました。もう9割以上進んだ。百里のうちの九十は来た。さすがに気をゆるめている人はいないだろうけれど,疲れている人はいるかもしれない。焦りや不安を感じている人もいるかもしれない。体調が悪いときはゆっくり休もう。体調不良でないときは思い悩んでいても仕方がないから,とりあえず勉強を始めよう,続けよう。
あと3週間とちょっと。「頑張ろう!」というつきなみな言葉しか思い浮かばないけれど,頑張ろう。手伝えることは何でもします。後ろを走っている人は前の人を抜くんだ。前を走っている人は抜かれないようにするんだ。
今日も含めて残りの日々を大切に過ごしていこう。
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