2025/01/09
受験生に対して年末の授業で「歴史の並べ替え問題」をテストしました。静岡県を含む各都道府県の公立高校の入試問題から選んで問題を作成して生徒に解いてもらいました。
過去の傾向から考えて公立入試で出題されるのは1,2問で配点も高いわけではありませんが,時間をかけて問題を作成しました。
こちらの考えていた点数よりも高得点を取れた生徒もいましたが,多くの生徒は点数が取れていませんでした。
授業で話をしました。
「みんな今まで勉強を頑張ってきて知識は増えている。けれども,まだまだその知識が整理された形で頭の中に入っていない。たとえて言うなら,知識は”筋肉”,今日やったこの問題は”骨・骨組み”です。”骨組み”ができていないとテストの点数が安定しない。テストのたびに”あたり”と”はずれ”が出てしまう」と。
この問題をできるようにするためには,いろいろと方法がありますが,その1つは年号を覚えるということです。覚えるために,代表的な年号の語呂合わせの教材を生徒に渡してあります。
ただ,年号をどこまで覚えるのか,教科書に掲載されているものをすべて覚えないといけないのかという問題があります。また,「何年に起こった」と特定できないものもあります。その場合は,この用語(人名・できごと)は〇〇時代の△△のころというように覚えておく必要があります。
さらにいうと,入試で出題される歴史の並べ替え問題は,「クイズ王選手権!」みたいな感じで単なる知識を問うのではなく,テーマがあることが多いです。例えば自由民権運動について順序を並べ替える,というような感じの問題です。そういう場合は,話の流れを何度も繰り返し頭に思い浮かべたり,再現できるか書き出してチェックしたりして整理・記憶しておかないといけません。
上に書いたようなことをふまえて,年末,生徒に指示を出しました。
「今日やった問題を年末年始の休みにやり直しておきましょう。解説を読んだり年号を暗記したり話の流れを思い浮かべたりして毎日繰り返し解く。部活(スポーツや音楽)などで,考える前に体が反応する,という状態になるまで練習をやりこまないと試合や大事な大会のときにそれが出ないよね。勉強もそれと同じですよ。”感覚”で答えが出るようになるまで仕上げないといけない。」と。
休み中に問題を作成しなおしました。問題そのものは変えていませんが,問題の配列を変更。記号の順序も全部変えました。”丸暗記”というセコイ方法で対応できないようにしました。
そして年明けにテスト。
年末にやったときには満点者は1人もいませんでしたが,今回は何人かいました。前回のテストのときに「さすがにこの点数はヤバいわ」とこちらが頭を抱えてしまう生徒もいましたが,今回は満点近く取れていました。こちらの指示を守って休みの間に努力していたんですね。
勉強してきたつもりでも2回目のテストで自分の思った通りの点数が取れなかった生徒が,昨日の自主勉の時間に解説を読みながら何度も解いて覚えようと努力している姿を見ました。声をかけてイメージがつかめていないところを聞いて解説をしました。
こうやって頑張っている生徒を見るとなぜだかよくわからないけれど涙が出そうになる。こういう生徒のために,自分のできることの全てをしたくなる。
そういう生徒がいる中で,前回と点数が全然変わっていない生徒も中にはいました。やっていないかやり方が粗いかのどちらか。
そして,前回よりも点数が上がった生徒の年末年始の勉強時間を見てみると,やはり努力したのがわかる。一方その逆は・・・・
やはりね,差がつくのは
そういうところでしょ
とはいうものの,見放したりはしません。受験までの残りの時間,私のできることを最大限やっていきます。
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