2024/12/20
中3の国語の教科書に論語の章句がいくつか掲載されています。
その中に,勉強をするうえで最も大切なことが書かれています。
学びて思はざれば則(すなは)ち罔(くら)し。思ひて学ばざれば則ち殆(あやふ)し。
「知識を学んでも,自分でよく考えて研究しないと,理解があやふやなままである」
「あれこれと自分で考えるだけで,先人の教えや古典,歴史などから学ぶということをしないと自分勝手な考えに陥ってしまい,危険である」という意味です。
論語でいうところの”学問”は,人間としてどう生きていくのかがテーマとなっていますが,この言葉は,受験勉強においても成り立つと思います。
というか,私は受験勉強の究極奥義だと思っています。
受験までの残された期間,どのように勉強していくのか?
勉強時間を増やすのは当然です。あなたが天才でない限り,志望校に合格するのにふさわしい時間というものがあります。さらに言うと,あなたがそこの高校に合格した後で勉強面で困らないように今やっておく必要があります。
そして,増やした時間を何に使うか,どう使うのかということも重要です。
問題演習をする。わからない問題が出てくる。質問する。ああそうなのね,わかったわ。
それで終わると自分の頭で考える時間が少なすぎて「罔(くら)し=知識があやふや」なままで終わってしまいます。
問題演習をする。わからない問題がでてくる。解答・解説を読む。ああそうなのね,わかったわ。
それで終わると本当に自分の”理解”が正しいのか確認できずに「殆(あやふ)し=危険」です。
① ”思う”時間
入試当日,もしも見たことのないものが出題されたときには,自分でなんとか解決しなければいけません。その場では誰も助けてはくれない。
問題演習をしていてすぐには答えが出てこないものがあったときに,まずは自分でできるところまでやってみる。図を描いてみようとか,これはどの単元と関係があるのだろうかとか何とか答えをひねり出そうと粘ってみる。わからないからといってすぐに質問するのではなくとりあえず「思ふ=自分でよく考える」。そのあとで質問する。
②”学ぶ”時間
時間は無限にあるというわけではありません。いつまでも自分で「思ふ=自分でよく考える」をしているわけにはいきません。入試当日だって1つの問題に時間をかけすぎるとタイムオーバーになってしまいます。また,知識系の問題ができないときには考えても答えが出てくるものではありません。すぐに聞くなり答えを見るなりして確認しないと時間がもったいないです。
思考系のもんだいについては,例えば「10分は自力で考える」などというルールを作っておいて,その時間が経過したら質問をする。「学ぶ=他人から教えてもらう」ことが必要です。
③再び”思う”時間
例えば,リオネル・メッシにドリブルの仕方を学ぶ機会があったとして,学んだからといって次の日からメッシのようなドリブルができるようになるわけではありません。
質問してそのときは”理解”できたつもりになっても,しばらく時間が経過した後に,それが自力で”できる”ようになっているかどうか確認をしないといけません。「罔(くら)し=知識があやふや」なままで終わってしまいます。
昨日やったこと,一昨日学んだことが,本当にできるようになっているのか,覚えているのか,そういう確認をする時間をつくることが必要です。
受験までの勉強で求められるのは,まずは時間を増やすことです。
そして,上に書いた「3つの時間」のバランスを考えることです。そして1日の最初,または寝る前に振り返ってみる。
昨日(今日)は目標の勉強時間を達成できたのか。「思う時間・学ぶ時間・再び学ぶ時間」をバランスよくやれたのだろうかと振り返ってみる。足りていないものがあったら次の日にはそれを改善する。
そうやって1日1日を積み重ねていくことが合格への近道です。
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