2024/11/29
情報収集のためにX(旧Twitter)をやっています。自分では何もつぶやきません。要らんことを書いて身バレして酷い目に遭いたくありませんし,匿名の”変な人”に絡まれる可能性が高いですから・・・。
大学入試の予備校の先生,都会の中学入試の塾の先生,専業の家庭教師の先生,個人塾を経営している先生,大規模・中規模の塾で働いている先生などが,何をつぶやいているか拝見しています。
この方々がどういう指導をしているのか,どういう教材を使っているのか,自分の指導のヒントにするためにときどき見ています。
最近,塾の先生〔地方の公立中学の生徒対象の塾の先生〕の多くがつぶやいている内容は
学校の進度が速い
ということです。つぶやきというよりも”悲鳴”に近いかも。
特定の地域だけというわけではなく,九州や近畿,中部地方,さまざまな地域の先生が言っています。
「学校の授業でワープされた」(本来なら数時間かけて扱うべき内容を,1時間ほどの授業でさっさと済ませてしまうこと)という言葉を見たこともあります。
授業内容が身についていないのにどんどん授業が進んでいって,定期テストでそれが出題される。定期テストの範囲が非常に広く平均点が低くなり,テストの結果が二極化している,というつぶやきを何度も見たことがあります。
各地で起こっている(ように私には見える)この流れは,たぶん どんどん進むのでしょうね。塾講師としてのポジショントークで言ってるのではなく,本気で私はそう思っています。
昨日,ある生徒が言っていました。
学校の進度がメチャメチャ早いです
と。
その分を塾の授業でしっかり扱いますから大丈夫です
と応えました。
内容が身につくまで根気よくやっていきます。今までもそうでしたし,これからもそうです。
(それが塾の存在意義じゃないんですかね?)
昔と比べて,学習内容が多くなっています。たとえば歴史。
自分が中学生のころ,週5日制になる前のことですが,こんなに細かい内容まで教科書に載っていなかった気がします。また,私がこの仕事を始めたときと比べて,学習しなければならない内容が明らかに増えています。
そういう背景があるので,どうしても1時間の授業で進める内容が増えます。学級閉鎖になるなどの可能性を考慮すると,進度が速くなるのも仕方がないことだと思います。
ただ,それは教える側の都合であり,教わる側には教わる側の都合があると思います。
私は,別に誰かを批判したいのではなくて,教わる側の都合を考えて授業をしていかなければいけないと,自戒の念を新たにしているだけです。
アメリカ大統領リンカン〔リンカーン〕の有名な言葉の日本語訳を拝借して,次のような次回の言葉を最近 自分に投げかけています。
わかっている人間の わかっている人間による わかっている人間の(都合の)ための説明
になっていないか?と自分に問いかけています。
当たり前ですが,自分にとって授業内容は すでに知っている内容です。けれども生徒は初めて触れる内容。
すでに習ったことがあってある程度 理解できている人がその説明を聞いたら「なるほど!」って思うかもしれないけれど,その内容を初めて聞く人にとってはチンプンカンプンかもしれん。この説明は教える側の自己満じゃね?
初めて習う人が,この説明,このスピードの話し方で内容をイメージできるのか,話について来られるのか。脳内に落とし込むための間〔ま〕はこれで十分なのか。図やたとえ話を使った方が伝わるのでは?。身につけるための問題演習の時間をどう確保するか。問題演習中にどのようにアドバイスすべきか。など,考えるべきこと,工夫すべきことはたくさんあります。
中3生は,12月中に中3内容の授業を終らせます。ただ,これに関しては授業時間を大幅に増やしています。
ブログ記事⇒https://tokogakuin.com/blog-kitahama/blog/4450/
しっかり身につけた上で授業を進め,中3内容を完了させるため,授業時間が何時間必要なのか計算してあります。
授業内での問題演習の時間もしっかり取れるように考えています。
こちらの”都合”通りに進まない可能性もありますので,予備の時間も考慮に入れてあります。
とにかく,初めて習う人が内容を理解する”都合”を,授業を進める側が速く進んでおきたいという”都合”に優先するようにしていきたいと考えています。
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