北浜校ブログ

2023/04/17

受験直前期の中3生との違い 大田

来週から桐光では新中1生の授業時間が変わります。本格的に中学校生活が始まるため,開始時刻をそれに合わせるためです。

大変なことがこれから多くなることと思いますが,少しずつ慣れていきましょう。部活動や学校生活もそうですが,授業の受け方にも慣れていかないといけません。

授業を行う上で私が常に意識しているのは受験直前期の中3生との比較です。ここ数週間の新中1生の授業の様子と受験前の受験生を相手にする授業との違いを考えてみました。お前は何を比べているんだ?という声が聞こえてきそうですが,いつかはそうならないといけないわけです。比較して中1生がダメだと言いたいのではなく,近づけるように努力していこうということなんです。

違い①(こちらの指示が1回で”通る”のか?)

入試前の授業は,こちらが特に意識しなくても指示が1回で全員に通ります。当たり前と言えば当たり前ですけれど。

さすがに新中1の授業はそうはいきません。こちらがかなり丁寧に指示を出さないと全員が1回で指示通りに動くというのは難しいです。新中1の授業では,私の指示が通っているかどうか,かなり注意して観ています。いつかは受験直前期の中3生のように一発で指示が通るように少しずつ訓練して慣れてもらわないといけません。

私は生徒を「支配」したいのではありません。塾でできないことは学校でもたぶんできない。学校の授業において先生の指示を1回で聞けないと勉強内容の面でも内申点の面でもいいことは1つもありません。だから少しずつ慣れていかないといけません。

違い②(反応の速さ)

これは「違い①」と内容が重複しますが,こちらの指示を聞いた後の反応スピードの違いです。

例えば「テキストの〇ページの△△を見ましょう」という指示。たかだかこれだけの指示ですが,指示が実行されるスピードが全然違う。いちいち時間を計測するようなことはしていませんが,全員が揃うまでに新中1生の授業では時間がかかります。時間がかかるのは想定内のことですので,スピードアップするように訓練していきます。

この反応スピードが遅いと損をしますよね。学校でも塾でも1回の授業の中で何回か指示がでます。(指示の回数)×(その日の授業数)×(日数)を考えたら,一年でどんだけの差ができることでしょう。それを考えたらこれもトレーニングしないといけません。

部活動で,基本的には1年生の間は体力づくりや基礎トレーニングをしますよね。それと同じだと思っています。授業の中での学習内容も重要ですけれど,指示を受けてから実行するまでのスピードという勉強面での「基礎体力」を鍛えていくことも同じくらい重要です。

違い③(問題演習のやり方)

成績向上のために問題演習はかかせません。これについて書くと長くなるので1つだけ。「問題演習中にフリーズするな」と一言だけ言いたい。

なぜフリーズするのでしょう。なぜ固まったような状態になってしまうのでしょう。それはわからないことが出てくるからです。「わからない」にはいろいろあります。

頭の中に入っていないから「わからない」。この場合にえーっとと考え込んでも何の意味もない。時間の浪費。こういう場合には授業を受けたときの自分のノートやワークのまとめのページを見ればいいんです。

頭の中に内容は入っているけれど,その問題の文章が読めていないため「わからない」。これはヘルプを求めるべし。

頭の中に内容が入っていて,その問題の文章も理解できているけれど,問題を解くためにどこから手をつけたらいいのか,どこから問題を「崩して」いくかが思いつかないため「わからない」。これもヘルプを求めるべし。

こういうことが,受験直前期の中3生はできています。言われんでもやる。そういう状態にしていきたい。

なぜ宿題を写してしまうのか?

問題演習のときにフリーズすると,演習をやりきるのに非常に時間がかかります。学校や塾の宿題をやるのに必要以上に時間がかかってしまいます。

そうすると宿題提出の期限に間に合わなくなります。いけないことだと思いつつ答えを丸写ししてしまう。それが重なると丸写しすることに対する抵抗感がなくなる。そして丸写しすることが「普通」のことになってしまう。

ほかにも理由があるとは思いますが,宿題丸写しの原因の1つは,問題演習に時間がかかりすぎることであると思っています。

授業中 教室内を 何周も(五七五)

では,どうすればいいのでしょう。授業中に言葉で伝えてできるようになるでしょうか? たぶんほとんどの生徒にはできないと思います。文章にして紙に印刷したものを渡して読ませてもたぶん無理。

一回 言ってそれで伝わるのならば誰も苦労はしません。だから授業中には教室内をぐるぐる回って一人一人に声をかけます。全体向けの説明で黒板やホワイトボードを使うとき以外は教室内を何周もしています。

頭の中に知識が入っていなくて問題演習中に固まっている子に声をかける。「ノートを見てこの問題の答えを探そう」。それで通じなかった場合は「ノートのこの部分を見てみよう」。それで通じなかったら その生徒に対してだけもう一度 授業内容をダイジェストで説明しなおします。

問題の文章が読めていない場合。その生徒の横について,その生徒にだけ聞こえるくらいの声で私が問題の文章を読みます。たったそれだけで答えが書ける場合がある。私が文章を読んでもダメだった場合は,その文章を分解して(主語・述語などに分けて),何を聞いているのか説明する。勉強しているつもりなのにテストの点数が思った通りにならないとか,塾でやったときにはできたのに・・・という生徒はこのタイプが多いのでは?と推測しています。

どこから手をつけていいかわからない場合。ヒントを出す。ヒントが通じなかったら第2ヒント。「こういうときにはこうするとうまくいく」という定石(定跡)のようなものを話して一般化する。

 

 

こういうことを繰り返して,受験直前期の中3生に少しずつ近づけていきたいと考えています。

新中1生だけでなく,新中2生も,もちろん新中3生も。

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