2024/05/21
先週の土曜日の中1の課題サポート
ブログ記事⇒https://tokogakuin.com/blog-kitahama/blog/3219/
質問をたくさん持ってきてくれました。
その中で↓コレに関する質問が多くありました。
この図は水半球といって,地球の海洋が最も大きくなるようにとった半球です。陸半球〔地球の陸地が最も大きくなるようになった半球〕に関する問題についても質問がありました。
水半球や陸半球の問題は,多くの問題集に掲載されています。そのくらいよく出る問題です。そして,この図を見たことがない人にとっては,何これ?という状態になりがちです。
質問に答えるときに大切だと私が思うことは,相手の頭の中に何が浮かんでいるのか/浮かんでいないのかを想像することです。
教える側の都合でどんどん話・解説を進めていっても相手がついて来られなければ意味はないです。1つ1つ確認しながらお話をしていかないとなかなか分かってもらえない場合があります。
「Aの大陸の”形”は絶対知ってるよ。何大陸だと思う?間違っても構わないので言ってみて」
「オーストラリア大陸?」
「正解!んじゃ,Bの海はオーストラリア大陸の東(右)にある海だよね。何ていう海なの?」
「太平洋?」
「正解で~す。Cの大陸って,オーストラリア大陸の南(下)にあるよね。そして,こんな形の大陸を見たことがないかもしれない。見たことがないかもしれないっていうのは,いつもの地図(メルカトル図法)だと見えてないところだからです。さて,どこでしょう」
「南極大陸?」
「OKです! 問題はDだよね。ちょっとしか見えてないもんね。B(太平洋)に面していて,”先端”の部分がC(南極大陸)の近くにあります。わかんなかったら,いつもの地図(メルカトル図法)を見ていいよ」
上に書いたようなやりとりをしなくても,すぐにどの大陸,どの大洋なのかがわかる生徒もいます。また,こんなやりとりをしなくても,答えを教えた方がはやいんじゃないのかという考えもあります。
ただ,自分の頭の中を通していないものは覚えても忘れやすいです。その場はできても時間が経つとできなくなる可能性が高いです。
さらに言うと,学校のテストや入試のときには,私は生徒の隣にはいません。テストのときにどこから手をつけていいかわからない問題に出会う可能性は誰にでもありますが,答えを教えてくれる人間などは近くにはいません。自分で何とか答えをひねり出すしかありません。
「粘り強く考えましょう」と生徒に声をかけるだけでは,あまり意味はないと思っています。
上のやりとりのように,自分がわかる(わかりそう)なところから手をつけていく。入試や実力テストの場合はいきなり答えそのものにたどり着けるなんてめったにないことなので,詰将棋のようにわかるところから1手1手詰めていく。そういう経験を少しずつでも積んでいけば,”思考力”を身につけていけるのでは?
そんなことを考えながら生徒の質問に答えています。
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