2024/05/10
私も含めてたいていの人間は放っておけば楽な方へと流れていきます。
上の表の②のように,楽でいてそれで将来役に立つことならばとくに問題はありません。けれども楽なことはだいたい役に立たない,場合によっては自分にとって害になることが多いです。
そして,きついことは多くの場合は将来の役に立つ,自分にとってプラスになる。
上の表の①の部分をなんとか継続していくこと,④をできる限り避けることが大切なのは頭ではわかると思います。けれども,その場になってみると①を避け,④に流れてしまうのが現実だと思います。そうならないために必要なのが自制心です。
自制心とは,自分をコントロールする力,自分の感情や行動をコントロールする力のことです。外からの刺激に反射的に反応しない力や誘惑に負けない力のことです。
何かを成し遂げるのには自制心が必要です。ただし,その自制心は無限ではないらしいです。そういう実験結果が出ているそうです。
Aパターン。空腹状態の人の目の前にチョコレート置くが食べるのを禁止。別に用意したサラダを食べてもらう。⇒難しいパズルの問題(実は答えがない問題)を考えてもらう。
Bパターン。空腹状態の人の目の前にチョコレートを置く。食べるのOK。⇒難しいパズルの問題(答えなし)を考えてもらう。
被験者をAパターンとBパターンに分け,問題を解くのに集中していた時間を比較した。そうしたら,平均してAパターンの人はBパターンの人の半分の時間しか集中できなかったそうです。
Aパターンの人は,空腹状態で目の前にあるチョコレートを食べたいという気持ちを我慢した=自制心を使った。自制心を使ったあとでは,問題を解くことにあまり集中できなかった。
それに対してBパターンの人はチョコレートを食べるのがOKだった。ここでは自制心を使っていない。問題を粘り強く考えるという自制心が必要なことに対してAパターンの人より頑張ることができた。
最初の表の①を行い,④を避けるためには自制心が必要です。ただ,上の実験のように自制心は使えば使うほど弱まっていく傾向があります。
だから,自制心だけに頼らないように工夫をしていかないといけません。部活や行事などでいろいろと忙しく疲れているときは,上の実験のAパターンのようになってしまう可能性があります。
現在,中3生の二者面談(生徒と教師)をしています。その面談の中でいろいろな話をしていきます。私の方からは,自制心”だけ”に頼らない,勉強を継続していくための工夫をお話しします。
話しただけで終わってしまったら,その工夫が実行されるかどうかはわかりません。ですから,面談後にチェックしていきます。進捗はどんな感じなのかを軽く報告してもらうようにします。
禁煙治療やダイエットの指導では進捗を報告してもらうことが大切なポイントらしいです。(⇒指導してもらったことのある経験者目線からもそうです)
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