2024/04/11
テレビをつけたら朝ドラをやっていたので観ました。タイトルは「虎に翼」。
虎に翼という言葉は,「韓非子(かんぴし)」という中国の古典に載っている言葉。もともと強い虎に翼をつけて空を飛べるようにしたら,もう手がつけられないくらいに強くなるという意味。「鬼に金棒」と似たような意味で使われます。(ただし「韓非子」では,”ヤバい人=虎”に”権力=翼”をつけると大変なことになってしまうので注意が必要だという文脈で語られていますけれど)
「韓非子」は,法による厳格な政治を行い,君主の権力を強化し,富国強兵をはかろうとする思想で,法家(ほうか)というグループに分類されます。
「韓非子」は法家に分類され,このドラマの主人公 寅子は法律家を目指す。もしかしたら,そういうことでこのタイトルになったのでしょうかね。
話は変わって,歴史の教科書には「672年,天智天皇の跡継ぎをめぐる戦い(壬申の乱)が起こり,この戦いに勝利した天武天皇は・・・」と書いてあります。この壬申の乱も「虎に翼」と関係があります。
天智天皇は病に倒れ,自分の先が長くないことを知ります。そして弟である大海人皇子(おおあまのおうじ=のちの天武天皇)を枕元に呼びます
天智天皇の心の声(自分の息子=大友皇子を次の天皇にしたい。けれども弟の大海人皇子を無視することはできない。どうしよう。息子に天皇の位を継がせるため,自分が生きているうちに大海人を◯しておくべきかも。)
大海人皇子に向けて
天智天皇「大海人よ,お前に次の天皇になってもらいたいのだが・・・」
心の声(もしも天皇になる気があるようだったら,息子のために今のうちに”始末”しておこう)
大海人皇子「私は病気がちなので無理です。出家して(僧になって)吉野にこもります」
心の声(ここで「天皇になります」と言ったら,ぜってぇ◯されるわ。とりあえず吉野に逃げとこ)
大海人皇子はその場で髪を剃って出家し(お坊さんになって),天皇になるつもりがないことを兄の天智天皇に示し,都を離れ吉野へと去っていった。その姿を見た朝廷の役人たちは口々にこうつぶやいたそうな。「虎に翼をつけて放てり」と。
大海人皇子が都にいれば監視もできるし”対処”もできる。けれども,都を離れてしまったらすべて自由になってしまう。もともと力を持っている大海人皇子(虎)に自由な行動をさせる(翼をつける)と,天智天皇の死後に大変なことになる,強くなりすぎてどうすることもできなくなるという意味です。
実際に壬申の乱でそうなりました。
(で,この話をどうやって「内申アップ説明会」につなげよう・・・)
ドラマでは,寅子に六法全書(司法試験に必要な法令集)が渡されました。この六法全書が”翼”なのではないのか。”翼”は自由に空を飛ぶためのものです。女性の社会進出が今よりも少なかった時代に世の中を自由に渡っていくための資格や技能を手に入れるための手段(=翼)が六法全書。
寅子に六法全書(=翼)が渡された。「虎に翼」ということなんですかね。
中学生の皆さんにとっての”翼”とは,学ぶことなのではないかと思います。今のうちにしっかり学んでおけば,それが大人になったときに世の中を渡っていったり自分の夢を実現したりするための”翼”になります。
そして,その第一歩として高校受験があります。志望校合格に向けての”翼”の1つが内申点ではないでしょうか。その内申点に関するお話を説明会でしていきます。(ちょっと強引な結びつけ方のような気もしますが,なんとか話が結びつきました)
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