2024/02/23
去年もこの時期にこのネタを書いた覚えがありますけれど,まあ,そんなことはどうでもええ。
夏目漱石の『夢十夜』という短編集。その第六夜に運慶が出てくる。
運慶が黙々と仁王像を彫っている。鎌倉時代のようでもあるが,自分以外の見物人の様子を見ると明治時代のようでもある。見物人の中の一人が「運慶は,木の中に埋まっている仁王を彫り出しているだけだ」と言う・・・
ミケランジェロのものとされる次の言葉。〔調べてみたけれど出典は確認できず〕
全て大理石の塊の中にはあらかじめ像が内包されているのだ。彫刻家の仕事はそれを発見すること。私は大理石の中に天使を見た。そして天使を自由にするために彫ったのだ。
ミケランジェロ かっこよすぎる・・・
凡人たる私が歴史上有名な天才芸術家の猿真似をする。
生徒の皆さんの中には予め”像”が内包されている。像とはもちろん志望校合格のこと。「生徒の皆さんの中に”合格”が埋まっていて,自分はそれを彫り出す」。
公立高校の志願倍率が出ましたが,それはそれ。合格に直結するのは,自分と同じ高校を受ける受験生のほとんどが解ける問題を確実に正解すること。正答率が高い(であろう)問題を確実にモノにするために残された1週間ちょっとを過ごす。
そのために,社会に関しては1つ1つの語句や内容に関しての生徒の”解像度”を上げていく。解像度を上げるために1対1で丁寧に説明し,問題演習を通して内容を定着させる。全てをパーフェクトに行うのは難しいですが,自分ができることの全てを行う。
この1年 定期テスト,実力テスト,模擬試験,県学力調査・・・テストのたびに,”像”がぼんやりしたりはっきり見えたりしました。そして受験前の今,その像はとてもclearになっています。残された時間で,その像をもっともっと鮮明にして,あとは確実に彫り出すだけ。
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