2024/01/15
一流のスポーツ選手や芸術家にも好不調の波というものがあると思います。強豪チームが その日はたまたま調子が悪くて負けるはずのない相手に負けてしまうことがあります。いつもと違ってやることなすこと裏目に出てしまう。アンラッキーな形で相手チームに先制点を取られてしまう。焦る。さらにうまくいかなくなる。
もちろんその逆で,やることがすべて”当たって”実力以上のものを発揮できることもある。
テストにも好不調の波というものがあると思っています。
何か今日は調子がいい。例えば数学の場合だったら,問題を解くための糸口がすぐに頭に浮かぶ。社会なら出題者の意図がすぐに分かって問題にadjustできる・”ピント”が合う。国語の抜き出し問題の答えが問題文からすぐに見つかる。
もちろんその逆もあります。
入試に関していえば,当日の朝は「今日の自分の調子は最高だ!」と思い込んで会場に向かった方がいいです。けれども,実際に試験が始まったら「ヤバい・・・答えまでの道筋が見えない,出題者は何を聞いているのかつかめない,答えが見つからない」となる可能性はゼロではありません。そうなったら焦る。そうなってしまったときに「調子は最高だ!」と自分に暗示をかけようとしても何の役にも立たないでしょう。
強い選手や強いチームとは,いつもと違う状況になったときのことを想定し,その対応策まで考えている選手やチームのことだと思っています。
優秀な選手やチームにも,調子が悪いことがときにはあり,相手の実力以上に苦戦して危うい状況になることもあります。けれども,何とかそれを乗り切って 結局はリーグやトーナメントで優勝し「常勝」と呼ばれるようになります。不調のときを想定し,その対応策がしっかりできているわけですね。
入試も同じ。
最悪の状況を想定して,事前にその対応策を考えておく
今週から実施する中3の「入試の国語」。休みの日にその予習をしながら,上に書いたようなことを考えていました。
例えば 〔長くなるので例は1つにしておきます〕 「◯◯字以内で抜き出しなさい」という問題。
答えは文中にあるわけですから,読んでいけば いつかは答えが見つかります。けれども”いつかは”ではマズいのですね。受験には制限時間がありますから。なかなか答えが見つからないと焦ります。他の問題も解かないといけないですし。
問題集を解いていて,調子のいいとき・運のいいときには「あっ,これだ! 」「これかもしれない」とすぐに見つかる。そして解答を見て丸付けをする。「やっぱ正解だった,ヨシ!」。たいていの生徒はここで勉強が終わる。正解だったものに丸をつけたらもうそれ以上 その問題に興味はわかない。それが普通だと思っています。
私が授業でやろうと思っているのは
もしも調子が悪くて答えが見つからなかった時に どう対処するのや?
という話。
制限時間内にやり切るために,何を考えてどう対処するのかという話。最悪の場合の対処法を生徒に丸投げするわけにはいきません。試験当日に 何を書いていいのかわからない問題が もしもあったら,最低限これだけのことはやりましょうということを話していこうと思っています。
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