北浜校ブログ

2023/10/27

覚えるための音読・復唱 大田

中3の公民

昨日の授業の合間に,自主勉に来ている中3生に声をかけられました。

学校で配布された憲法条文のプリントを持ってきて,「印をつけたところがどうしても覚えられません」と助けを求めてきました。学校で憲法条文の小テストがある。

中3生は内申点を上げないといけないのは言うまでもないこと。定期テストだけでなく小テストも内申点に関わる。小テストがあるという情報を以前から得ていましたので,授業の中で憲法条文を覚えるトレーニングをしました。

中3公民の人権の分野では,憲法条文が出題されます。小テストで,定期テストで,実力テストで,学調で,入試で。だから,授業でかなりやりました。

かなりやったつもりでしたが,トレーニンがまだ足りなかったようです。別にかまわんよ,も一度やればいいだけの話ですから。

文の説明

まずやったのは,条文の意味の説明です。

憲法条文は,ものによっては一文が長い。そのため,主語,修飾語,目的語,述語がとらえにくくて意味のわからない呪文のように感じる生徒も少なからずいるはずです。授業でもやりましたが,どの言葉がどの言葉にかかっているのかもう一度 説明しました。

さらに,現在の日常生活ではまず使わない語句が憲法条文には多く使用されています。語句の意味を説明しました。この言葉はこういう場面で使うということを話しました。

読んであげた

次にやったのは音読。

憲法条文を私が3回音読。その後でその場で復唱してもらいました。「家に帰ったらこれと同じことをやりましょう」

家族がいるところでやるのが恥ずかしければ,一人になったとき,例えばトイレやお風呂に入ったときにメモを持っていってそこで音読する。音読した後で何も見ずに言えるかどうかチェックする。

二宮金次郎のように歩きながらやるのもいいかもしれない。ただし,周囲の道路状況には十分な注意が必要ですけれど。

なぜ校歌は覚えられるのか

ほとんどすべての人は,自分の学校の校歌の歌詞を覚えていて歌うことができますね。なぜなんでしょう。

それは歌う機会が多いからです。メロディにのせて何度も歌う。自分の歌声や周囲の歌声が耳から入ってくる。それが頭の中にメロディとともに残る。

私は,小3のときに引っ越しのため転校しました。小1と小2しか通わなかった小学校の校歌を,この歳になっても1番だけなら歌えます。歌詞を覚えています

「♪ 北には秋葉 光明諸山 富岳は東の みそらにそびえ 西には遠く その名さえ 世に流れたる 天竜川 ♪」

小学1年生や2年生にこの歌詞の意味がわかるとはとうてい思えない。実際,40年以上前の私も意味なんてわかっちゃいなかった。歌詞の意味を説明してもらった覚えもないし。けれども全校集会や行事のときに何回も歌った。自分の歌声や周囲の人たちの歌声が耳に残っている。だから今でも歌える。そして成長していく中で知識を得て「校歌の歌詞はこういう意味だったのね」と理解できた。

『覚える』ためにはこういうことが必要なのかもしれない,と考えています。ですから,授業でも全体でやりますし,個人的に助けを求められたときも音読・復唱することを指導しています。目で見るだけで覚えられなかったら,口と耳も使いましょうということです。

それでも覚えられなかったら,別の方法を考えて提案するまでです。

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